東京・大阪タワマン最上階、5割が空き部屋?『投資専用』の実態と賃貸への波及
東京・大阪の都心タワマン最上階、所有者の5割が不在 住むよりも「投資」 ―マンション不都合な真実 - 日本経済新聞(7月25日, 日本経済新聞)
この記事の要約
日本経済新聞は、東京・大阪の都心にあるタワーマンション最上階について、所有者のおよそ5割が実際には住んでいないと報じました。高額な最上階が「住まい」ではなく「投資対象」として保有されている実態が浮かび上がっています。 背景には、都心タワマンの資産価値が値崩れしにくいという期待や、富裕層・海外投資家による現物資産としての需要があります。 一方で、住民が不在の部屋が増えると管理組合の運営や地域コミュニティに影響が及ぶ懸念もあり、賃貸・売買の現場にも見過ごせない波及があります。
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最上階の半分に人が住んでいないって、すごく意外です。なぜわざわざ高いお金を出して、住まない部屋を買うのでしょうか?
結論から言うと、住むためではなく『資産を置いておく箱』として買っているからです。都心のタワマン最上階は数が限られていて、値下がりしにくいと考えられています。
つまり、現金や株を持つ代わりに、値崩れしにくい不動産に換えて持っておく、という発想です。特に最上階は希少性が高く、いざ売るときも買い手がつきやすいと見られています。
でも、住まないなら貸せばいいのに、とも思います。空けたままにするのはもったいなくないですか?
おっしゃる通り、貸せば家賃収入は入ります。ただ、値上がり益を狙う投資家にとっては、賃貸のわずらわしさを避けたい人も多いのです。
入居者が入ると内装が傷んだり、退去時の原状回復や管理の手間がかかります。売却時に『新築同然・未使用』のほうが高く売れると考え、あえて空けておくケースもあるのです。
なるほど。海外の人が買っているというのも本当なのでしょうか?
はい、円安の影響が大きいです。円が安いと、外国のお金から見れば日本の不動産が割安に見えます。
加えて、日本は所有権がしっかり守られ、政情も安定しています。海外の富裕層にとって『安全な場所にお金を預ける』感覚で都心タワマンが選ばれているのです。
住民がいない部屋が増えると、そのマンション自体に困ったことは起きないのでしょうか?
これが記事の言う『不都合な真実』の核心です。所有者が不在だと、管理組合の話し合いや修繕の決議に人が集まりにくくなります。
大規模修繕や管理費の値上げは、住民の合意が必要です。連絡がつかない所有者が多いと、必要な決定が進まず、結果として建物の老朽化対策が遅れるリスクがあります。
それは将来的にマンションの価値にも響きそうですね。賃貸の現場にはどう関係してきますか?
賃貸では、こうした投資家所有の部屋がある物件は『貸室の質にばらつきが出やすい』点に注意が必要です。空室のまま放置される部屋と、賃貸に出される部屋が混在します。
また、実需で住む人が少ない物件は、コミュニティが希薄で防犯・防災面の不安を感じる入居希望者もいます。エージェントは、この管理体制や入居率を事前に確認することが大切です。
売買の担当者にとっては、こうした投資物件はチャンスにもなりますか?
チャンスとリスクの両面があります。投資目的の売り手は、価格が有利なときに一気に売却へ動くため、供給が急に増える局面があります。
逆に言えば、値上がり局面では希少な最上階に強い需要が集まります。相場の温度感をつかめば、売り時・買い時のアドバイスで差をつけられます。
投資かどうかは、どうやって見分けられるのでしょう?
管理組合の議事録や修繕積立金の状況、そして『総会の出席率』が有力なヒントになります。出席率が極端に低ければ、不在所有者が多いサインです。
さらに、夜に部屋の明かりがどれくらい点いているかも簡易的な目安になります。実需で住む人の割合を見抜けると、物件の将来性を語れるようになります。
最後に、私たちエージェントがこの話を仕事にどう活かせばいいか教えてください。
まず、タワマンを『価格』だけでなく『誰が・なぜ持っているか』という視点で語れることが差別化になります。管理の健全性や不在所有者の割合まで説明できるエージェントは、顧客から信頼されます。
賃貸なら『管理がしっかりした物件』を根拠を持って勧め、売買なら投資マネーの動きを読んで売り時を助言する。表面の華やかさの裏側にある『不都合な真実』を正直に伝えられることこそ、プロとしての最大の武器になります。
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