神戸の新築マンションでモデルルーム廃止、なぜ3Dで売れる?
新築マンション、広がるモデルルーム廃止 3Dで表現多彩×コスト減 - 日本経済新聞(7月9日, 日本経済新聞)
この記事の要約
関西の新築マンション販売で、実物大のモデルルームを作らず、3次元(3D)モデルで部屋を見せる動きが出てきました。野村不動産は神戸市の物件で、部屋の間取りだけでなく、窓からの眺めや周辺の街並みまで3Dで再現しています。 背景にあるのは建築コストの上昇です。従来のモデルルームは莫大な費用がかかるうえ、紹介できる間取りが1つに限られます。3Dならすべての間取りタイプを見せられるため、買い手が比較・判断しやすくなるという狙いがあります。 住宅営業の現場では、資材や人件費の高騰が続くなか、販売経費をどう抑えつつ購入意欲を高めるかが課題です。この動きは分譲だけでなく、賃貸やリノベーションの接客手法にも影響しそうです。
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モデルルームって、マンション販売の定番ですよね。あの立派な部屋をわざわざ廃止して、本当に売れるんですか?
結論から言うと、条件次第で十分に売れます。今回のポイントは「見せ方を変えた」ことです。
従来のモデルルームは実物大の部屋を建てるので、建築費や賃料、撤去費まで含めると1棟あたり数千万円規模の負担になります。それを3Dの映像に置き換えれば、コストを大きく下げられるわけです。
でも実物を見られないと、お客さんは不安になりませんか? 手で触って確かめたい人もいると思うんですが。
おっしゃる通り、その不安は当然あります。ただ3Dの強みは「全部の間取りを見せられる」ことなんです。
従来のモデルルームは、一番人気の間取りを1つだけ作るのが普通でした。買う人からすると、自分が検討している部屋とは違うタイプを見せられていたわけです。3Dなら、自分が買う予定の部屋そのものを画面上で歩き回るように確認できます。
なるほど。じゃあ眺望や街並みまで再現しているのは、どういう意味があるんですか?
これは購入判断で意外と重要な要素です。マンション選びでは「その部屋から何が見えるか」が満足度を左右します。
たとえば同じ間取りでも、5階と15階では窓の外の景色がまったく違います。3Dなら各階の眺めを事前に体感できるので、買い手の納得感が高まり、契約後の「思ってたのと違う」というトラブルも減らせます。
コストが下がるのはわかりましたが、その分は誰が得をするんですか? 会社の利益になるだけですか?
両面あります。一つは、企業側の利益率の改善です。今は資材も人件費も上がっていて、販売経費を削れるのは大きなメリットです。
もう一つは、価格や販売スピードへの波及です。経費が下がれば、その分を価格に反映したり、より早く完売させたりできます。結果として買い手にもメリットが回る可能性があります。
これって分譲マンションの話ですよね。私たちの賃貸の現場には関係あるんでしょうか?
大いに関係あります。賃貸でも、まだ完成前の物件や、遠方のお客様への内見で3Dは強力な武器になります。
実際、賃貸のオンライン内見はコロナ禍以降に定着しました。3Dで部屋の中を歩けたり、家具を配置したイメージを見せられれば、来店しなくても申し込みまで進んでもらいやすくなります。
ただ、3Dの映像を作るのにもお金がかかりますよね。安い賃貸物件だと元が取れないのでは?
いい着眼点です。確かに1件ごとに凝った3Dを作るとコストは合いません。だからこそ「使いどころ」を見極めることが大事です。
たとえば同じ間取りが多い大型物件や、内見客が遠方に多い物件では効果が高いです。逆に、すぐ埋まる人気物件や築古の安価な物件では、写真とわかりやすい説明で十分な場合もあります。
じゃあエージェントとしては、ただ3Dを見せればいいわけじゃないんですね。
その通りで、ここが差別化の核心です。3Dはあくまで道具で、価値を生むのは「その道具をどう使って納得を作るか」という接客力です。
たとえば同じ3D映像でも、眺望や日当たり、周辺のスーパーや駅までの動線を絡めて説明できるエージェントは信頼されます。ツールが普及するほど、それを使いこなして生活イメージを言葉で補える人の価値が上がるということです。
まとめると、3D化はコスト削減の話に見えて、実は「情報の見せ方競争」の始まりです。早めに3Dやオンライン内見に慣れ、映像に生活の物語を添えられるエージェントこそ、これからの現場で選ばれる存在になります。
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