都心6区マンションに異変 築浅が売れず海外マネー撤退の理由
都心マンション変調 築浅物件の流通減、海外マネー消極化 - 日本経済新聞(9月27日, 日本経済新聞)
この記事の要約
東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の中古マンション市場に変化の兆しが出ています。平均坪単価は下落基調に転じ、これまで活発だった築浅物件の流通が減少。その結果、流通物件の平均築年数がやや上がるという現象が起きています。 背景にあるのは、これまで都心の相場を押し上げてきた海外投資家など投資マネーの流入が減速していることです。日本の金利上昇観測や「もう割安ではない」との見方が広がり、投資妙味が薄れつつあります。 湾岸エリアなどでは在庫が増え、今後1割程度の値下がりを見込む声も出ています。上昇一辺倒だった都心マンション相場の潮目が変わりつつある局面といえます。
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都心のマンションってずっと値上がりしてきた印象なんですが、今回『変調』とありますよね。何が変わってきたんでしょうか?
ポイントは3つです。まず都心6区の中古の坪単価が下落基調に入ったこと。次に築浅物件の売り出しが減ったこと。そして結果的に、市場に出ている物件の平均築年数が上がってきたことです。
つまり『新しくて良い物件が売りに出にくくなり、相場の勢いも落ちてきた』という状態です。これまでの右肩上がり一色とは風景が変わりつつあります。
築浅物件の流通が減るって、良いことなのか悪いことなのかピンときません。売り物が減れば逆に値上がりしそうですが?
普通ならその通りで、売り物が減れば値上がり圧力になります。でも今回は坪単価が下がっている。ここが重要な点です。
これは『買い手の需要そのものが弱まっている』サインなんです。特に、これまで築浅の高額物件を積極的に買っていた投資家層の動きが鈍っている。だから売り手も『今は高く売れない』と判断して、売り出しを見送っているわけです。
その投資家というのが、記事にある海外マネーですね。なぜ海外の投資家は都心マンションを買っていたんですか?
大きな理由は2つあります。1つは円安で、海外通貨から見ると日本の不動産が『バーゲン価格』に見えたこと。もう1つは、日本が長く超低金利で、借入コストが安く利回りを確保しやすかったことです。
東京は世界の大都市の中でも価格が割安とされ、安定して賃料も取れる。だから海外マネーにとって魅力的な投資先だったんです。
その海外マネーが消極的になってきたのは、円安や低金利の前提が崩れてきたからということですか?
その通りです。まず日本の金利が上がる観測が強まり、借りて買う旨みが薄れました。安く借りて高い利回りを得る構図が崩れかけているんです。
加えて、ここ数年の急騰で『日本の不動産はもう割安ではない』という見方が広がりました。バーゲン感が消えれば、海外投資家がわざわざ買い急ぐ理由も減ります。だから流入が減速しているわけです。
湾岸エリアで在庫が増えて1割下がるかも、という話もありました。なぜ湾岸が特に影響を受けやすいんでしょう?
湾岸のタワーマンションは、実需(自分で住む人)だけでなく投資目的の買い手が多かったエリアだからです。値上がり益を狙って買われた物件が多い分、相場が鈍ると売りが出やすく、在庫が積み上がりやすい。
投資マネーが引くと、こうした『投資色の強いエリア』から先に調整が始まりやすいんです。逆に、実需が中心の落ち着いた住宅地は比較的値持ちしやすい傾向があります。
こういう変化を、私たち賃貸や売買の現場の担当者はどう受け止めればいいですか?売りにくくなるということでしょうか?
売買では『いつでも高く売れる』前提を捨てることが大事です。売り主には、強気の値付けだと動かない可能性を早めに伝え、価格戦略を現実的に組み直す提案が信頼につながります。
賃貸には追い風の面もあります。買うより借りる選択が増えれば、都心の賃貸需要は底堅い。投資家が売却より賃貸運用に切り替える動きも出るので、管理・客付けの相談を取りに行くチャンスです。
エリアによって温度差があるなら、お客さんへの説明も変えたほうがよさそうですね。
まさにそこが差別化の肝です。『都心マンション=一律下落』ではなく、『投資色の強い湾岸は調整、実需中心の住宅地は底堅い』とエリア別・物件属性別に語れる担当者は圧倒的に信頼されます。
さらに、下落局面は買い手にとってはチャンスでもある。金利や海外マネーの動きを踏まえて『なぜ今この物件なのか』を数字と背景で説明できれば、単なる仲介ではなく相談される専門家として選ばれます。マクロの潮目を自分の言葉で翻訳できることこそ、これからのエージェントの武器です。
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