修繕費が払えない!融資58%増406億円、積立金不足マンションの実態
マンション修繕、借金頼み急増 コスト高で融資400億円 - 日本経済新聞(7月3日, 日本経済新聞)
この記事の要約
マンションの大規模修繕に必要な積立金が足りず、借り入れに頼るケースが急増している。関連する融資額は2025年度に406億円と、前年度比で58%も増えた。 背景には修繕コストの高止まりがある。中東情勢の余波などで資材費や人件費が下がらず、今後さらに融資依存が広がる懸念がある。 積立金を定期的に見直さなければ、財政的に行き詰まるマンションが出かねない。修繕周期の見直しなど、早めの対応が求められている。
専門家がニュースをわかりやすく解説!
マンションの修繕でお金を借りる、っていうニュースを見たんですが、そもそも修繕って積み立てたお金でやるものじゃないんですか?借金してまでやるって、どういうことなんでしょう。
いい疑問ですね。結論から言うと、本来は毎月コツコツ集める『修繕積立金』でまかなうのが基本です。でも今、その積立金が足りず、管理組合が銀行から借りる例が増えているんです。
理由はシンプルで、工事費が想定よりずっと高くなったから。10年、20年前に決めた積立計画のままだと、いざ工事の見積もりを取ったときに『全然足りない』となるわけです。
なぜそんなに工事費が上がってしまったんですか?
大きく二つあります。ひとつは資材の値上がり。鉄やコンクリート、塗料などが世界的な情勢で高くなっています。記事でも中東情勢の余波が触れられていますね。
もうひとつは人手不足による人件費の上昇です。建設業界は働き手が減っていて、職人さんの単価が上がり続けている。この二つが重なって、修繕費が数年で大きく膨らんだんです。
でも借りれば工事はできるわけですよね。それの何が問題なんでしょう?
借金の返済は、結局そのマンションの住人が毎月の積立金に上乗せして払うことになります。つまり後払いで、しかも利息も付く。将来の負担が重くなるんです。
さらに怖いのは、返済しながら次の修繕にも備えなければならない点です。返済だけで手一杯になると、次の大規模修繕でまた借りる『借金の連鎖』に陥りかねません。
それって、住んでいる人にとってはかなり深刻な話ですね。エージェントの仕事にはどう関係してくるんでしょう?
直接効いてきます。中古マンションを扱うとき、その物件の管理組合の財政状態が、実は価格や売れやすさを左右するからです。
積立金が不足していたり、多額の借入があったりすると、買った人が将来『積立金の値上げ』や『一時金の請求』を受ける可能性がある。これは買い手にとって隠れたリスクです。
具体的には、どこを見れば分かるんですか?
まず『重要事項調査報告書』を管理会社から取り寄せます。ここに積立金の残高、借入の有無、滞納状況が書かれています。ここを読み解けるかが、プロの腕の見せどころです。
加えて『長期修繕計画』も確認します。次の大規模修繕がいつで、いくら必要で、積立金がそれに足りているか。足りなければ、近いうちに値上げがある可能性を買い手に説明できます。
賃貸のほうにも影響はあるんですか?
あります。オーナーが所有する区分マンションを賃貸に出しているケースでは、積立金の値上げや一時金がオーナーの収支を直撃します。
家賃収入は簡単に上げられないのに、支出だけ増える。利回りが悪化して『もう手放したい』となるオーナーも出てきます。ここは賃貸管理を担当する人が先回りして相談に乗れる場面ですね。
なるほど。数字の話が現場のリスクに直結しているんですね。
そうなんです。多くのエージェントは価格や立地、間取りは説明しますが、管理組合の財政まで踏み込んで語れる人は意外と少ない。ここが差別化の最大のポイントです。
『この物件は積立金が計画通りで健全です』『こちらは近く値上げの可能性があるので、その分を交渉材料にしましょう』と説明できれば、お客様の信頼は一気に高まります。修繕コスト高騰の今こそ、管理の中身を読める力が、選ばれるエージェントの武器になります。
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