首都圏マンション購入者の5割が「売る前提」資産化が進む理由
マンション購入「売却前提」首都圏で5割超え 資産意識の高まりで - 日本経済新聞(10月3日, 日本経済新聞)
この記事の要約
住宅情報サイト「ライフルホームズ」の調査で、首都圏でマンションを購入した人の過半数が、買った時点ですでに売却を視野に入れていたことが分かりました。調査は東京・神奈川・埼玉・千葉の主要市区で、過去3年以内にマンションを売った25〜69歳の男女507人を対象に実施されました。 背景にあるのは、マンションを「住む場所」だけでなく「資産」として捉える意識の高まりです。価格上昇が続く首都圏では、いずれ売って利益を得たり、住み替えの原資にしたりする前提で買う人が増えています。 こうした購入動機の変化は、物件選びの基準や売買・賃貸の現場に直接影響します。エージェントにとっては、顧客の「出口」まで見据えた提案力が問われる局面といえます。
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マンションを買うときに「売る前提」って、ちょっと意外です。普通は長く住むために買うものだと思っていました。なぜ最初から売ることを考える人が増えているんですか?
結論から言うと、首都圏のマンション価格がずっと上がってきたからです。買った価格より高く売れる経験が広まり、マンションが「貯金に近い資産」として意識されるようになりました。
かつては「一生の住まい」という発想が主流でしたが、今は「数年住んで、値上がりしたら売って住み替える」という使い方が現実的になっています。調査で過半数が売却前提だったのは、その意識変化の表れですね。
でも、価格が上がるかどうかは買うときには分からないですよね。みんな、どうやって「売れる物件」を見分けているんですか?
ポイントは「将来も買い手がつきやすいか」です。具体的には駅からの近さ、再開発の予定、学区の人気、管理状態などが重視されます。これらは中古市場で値崩れしにくい要素なんです。
逆に言えば、立地が弱かったり管理が悪かったりする物件は、将来売るときに苦労します。売却前提で買う人は、この「出口での売りやすさ」を購入時点から計算に入れているわけです。
なるほど。でも、そんなに売る前提の人が増えたら、中古マンションが市場にあふれて、かえって値下がりしないんですか?
鋭い疑問です。理論的には売り物件が増えれば価格は下がりやすくなります。ただ現状は、建築費の高騰や新築の供給不足で、良い中古への需要が供給を上回っている状態です。
さらに、売る人は「住み替え」で次の物件を買う側にもなります。つまり売りと買いがセットで動くので、需要そのものは意外と減りにくい。この循環が価格を支えている面があります。
売買の話は分かってきました。これって、私たちが扱う賃貸の現場にも関係してくるんでしょうか?
大いに関係します。まず、売却前提で買った人が思うように売れないとき、「とりあえず貸す」という選択をすることが増えます。これが賃貸市場に出てくる物件の供給源になります。
また、価格が上がって買いにくくなった層が賃貸にとどまる動きも出ます。つまり売買の過熱は、賃貸需要を押し上げる方向にも働くんです。売買と賃貸は別物ではなく、つながっていると捉えるのが大事です。
買う側の意識が変わると、賃貸にもそんな影響があるんですね。エージェントとしては、具体的にどんな会話を意識すればいいでしょうか?
購入希望のお客様には「出口」の話を早めに切り出すことです。「何年くらい住む予定ですか」「将来売る可能性はありますか」と聞くだけで、提案する物件の幅が変わります。
賃貸管理をしている場合は、オーナーに「売るか貸すか」の判断材料を提供できると強いです。今の賃料相場と想定売却額を並べて示せば、オーナーの信頼を得やすくなります。
お客様の「将来どうしたいか」まで踏み込むんですね。ただ、売る前提で買う人が多いと、投機っぽくてリスクも高そうです。注意すべき点はありますか?
その通りで、値上がりが永遠に続く保証はありません。金利が上がったり景気が冷えたりすれば、思った価格で売れないリスクは現実にあります。ここを正直に伝えられるかが信頼の分かれ目です。
「必ず儲かる」ではなく「こういう物件は出口で苦労しにくい」という冷静な説明が、結果的にお客様を守ります。短期の売却益だけを煽る提案は、長い目で見て担当者の評判を落とします。
煽らずに、リスクも含めて伝えることが大事なんですね。最後に、この知識をどう自分の強みにすればいいでしょうか?
これからのエージェントは「買って終わり・貸して終わり」ではなく、お客様の資産全体の相談役になることで差別化できます。入居・購入から将来の売却や貸し出しまで、ライフプラン全体を見据えた提案ができる人が選ばれます。
具体的には、担当エリアの中古価格と賃料の両方を数字で語れること、そして「売りやすさ・貸しやすさ」を物件ごとに評価できることが武器になります。顧客の出口まで一緒に設計できる担当者こそ、これからの市場で指名される存在になります。
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