住み替え人数が3年連続減少、中古マンション73カ月ぶり下落の衝撃
住み替える人が全国で減少?! 不動産マーケットの「潮目の変化」に乗り遅れずに - 健美家(9月22日, 健美家)
この記事の要約
2025年の市区町村間移動者数は519万548人で前年比0.3%減。住民票ベースの「住み替え人数」を4月値で比較すると、コロナ後に回復したものの、2024年をピークに3年連続で減少しています。仲介現場の「件数が伸びない」という実感と数字が一致しています。 都心回帰が進む東京都でも「都内→都内」の住み替えは減少。売買価格の高騰による買い控えが背景にあり、2026年5月には中古マンション成約単価が73カ月ぶりに前年比マイナスへ転じました。神奈川・千葉・埼玉への流出も見られます。 住み替えが停滞すると、仲介は「単価×件数」ビジネスゆえに厳しくなり、単価を上げればさらに住み替えが抑制される悪循環に陥ります。過去最高412万人の在留外国人の受け入れが、今後の空室対策のカギになると指摘されています。
専門家がニュースをわかりやすく解説!
「住み替え人数が減っている」ってニュースを見ました。でも東京の人口は増え続けているんですよね?人口が増えているのに住み替えが減るって、矛盾していませんか?
いい着眼点です。結論から言うと、人口が増えても「引っ越す人の数」は別物なんです。東京の人口増加には、長生きする高齢者が増えている影響も含まれます。
つまり、住んでいる人が増えても、その人たちが動かなければ賃貸も売買も仲介は発生しません。私たちが商売にできるのは「移動した人」だけ。だから住み替え人数の減少は、現場に直接効いてくるのです。
なるほど。でも、なぜみんな引っ越さなくなったんでしょう?コロナが明けて自由に動けるようになったはずなのに。
最大の理由は「価格の高騰」です。売買では、マンション価格が上がりすぎて買い控えが起きています。買いたくても手が届かないので、いまの家に住み続ける人が増えているんですね。
賃貸も同じです。家賃相場が全体的に上がると、引っ越し先の家賃も高くなる。だったら「今の部屋にいた方が安い」となり、動かなくなる。値上げが逆に住み替えを止めているのです。
家賃を上げると入居者が出ていくのかと思っていましたが、逆なんですね。
そうなんです。ここが面白いところで、家賃アップに一度合意した入居者は、次の更新までは「とりあえず住み続ける」傾向が強い。値上げしても出ていかない、というデータになっています。
オーナーから見れば満室で家賃も上がり万々歳です。でも不動産会社から見ると話は別。引っ越しが減れば仲介手数料も、退去に伴う原状回復工事の収入も減ってしまうのです。
73カ月ぶりに中古マンション価格が下がったという話も気になりました。これは大きな出来事なんですか?
6年ぶりの下落なので、かなり象徴的な出来事です。73カ月というのは約6年間ずっと上がり続けていたということ。それが初めて前年割れしたわけです。
注目すべきは、売り出し価格と成約価格の差が大きく開いている点。つまり「高く出しても売れないから、下げて成約した」という構図です。天井感が出てきたサインと読むべきでしょう。
東京がダメでも、神奈川や千葉、埼玉は増えているんですよね?だったらそっちに商機がありそうですが。
その通りで、東京の家賃・価格高騰に押し出された人が、神奈川・千葉・埼玉に流れている可能性があります。実際、これらの県は転入超過が続いています。
ただ注意したいのは、全国で見れば減少トレンドだということ。転入超過なのは東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・福岡くらいで、一極集中の裏で多くの地方は転出超過です。この構造を理解して、自分のエリアがどちら側かを見極めることが大事です。
国内で住み替えが減るなら、この先、賃貸業界はどう生き残ればいいんでしょう?
カギの一つが「外国人入居者」です。在留外国人は2025年末で412万人と過去最高を更新しています。日本人の移動が細る中で、確実に伸びている需要はここなんです。
日本人に住み替えを促す努力と、海外人材に住んでもらう体制づくり。この両輪を回せる会社が、これからの賃貸ビジネスを制すると私は見ています。
現場のエージェントは、この話をどう自分の武器にすればいいですか?
まず「件数が減るのは怠けているからではなく、市場構造の変化だ」と数字で説明できることが強みになります。オーナーに対して、値上げと住み替え抑制のジレンマを冷静に示せる担当者は信頼されます。
その上で、外国人対応の仕組みや保証・言語サポートを整え、県境をまたぐ流出入の動きを地図で語れること。「この人は市場を読めている」と思わせられれば、価格競争ではなく提案力で選ばれるエージェントになれます。ここが差別化の分かれ目です。
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