港区は4割弱が定期借家に なぜ都心で急増?
首都圏で定期借家マンション急増 都心エリアで拡大、港区は4割弱 - 日本経済新聞(6月21日, 日本経済新聞)
この記事の要約
不動産情報サービスのアットホームによると、首都圏(1都3県)で賃貸マンションに占める定期借家物件の割合が増えています。とくに都心エリアで拡大が目立ち、港区では4割弱に達しているとされます。 背景には物価高があります。家賃を見直しやすい定期借家が、コスト上昇に直面する貸主側のニーズの受け皿になっているとみられます。 定期借家は契約期間が満了すると更新されず終了するのが原則で、普通借家とは仕組みが大きく異なります。この違いを正しく理解することは、現場の賃貸エージェントにとって重要になっています。
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最近よく聞く「定期借家」って、普通の賃貸と何が違うんですか? 港区では4割弱まで増えているそうですが、ピンときません。
大きな違いは「更新があるかどうか」です。普通の賃貸契約は、借りる人が住み続けたいと言えば原則そのまま更新できます。
一方、定期借家は契約期間が満了すると、その時点でいったん契約が終わります。住み続けるには貸主と借主が改めて「再契約」する必要があるのです。
なるほど。でも、なぜ今この定期借家が増えているんでしょう?
一番の理由は物価高です。建物の修繕費や管理費、税金などのコストがどんどん上がっています。
普通借家だと、入居中の家賃を大家さんが簡単には上げられません。でも定期借家なら、契約満了後の再契約のタイミングで家賃を新しい相場に合わせやすいのです。
つまり、大家さんにとっては家賃を調整しやすい仕組みなんですね。
その通りです。インフレが続く局面では、長期間家賃を据え置く普通借家は貸主にとってリスクになります。
定期借家なら、上がったコストを家賃に反映するチャンスが定期的に来ます。だからこそ家賃水準の高い都心エリアで、特に採用が進んでいるわけです。
港区のような家賃の高い場所ほど増えるのは、それだけ差額のインパクトが大きいからですか?
まさにそうです。家賃が高い物件ほど、相場の上昇分を反映できる金額も大きくなります。
加えて都心は富裕層や法人契約、転勤の需要も多く、貸主が強気の条件を出しやすい市場です。借り手の入れ替わりがあっても次がすぐ決まる、という安心感も後押ししています。
借りる側からすると、ちょっと不安もありますね。急に出て行ってと言われたら困ります。
そこが現場で一番説明を求められるポイントです。確かに定期借家は期間満了で終わるのが原則ですが、多くの場合は再契約を前提に運用されています。
ただし再契約が保証されているわけではなく、家賃が上がる可能性もあります。借主にはこの点を契約前に正直に伝え、再契約の見込みや条件をできるだけ具体的に確認しておくことが大切です。
売買の現場には何か影響はあるんでしょうか?
投資用物件の評価に関わってきます。定期借家中心の物件は、家賃を相場に合わせやすいので将来の収益が伸びやすいと見られる面があります。
一方で、契約更新のたびに入居者が入れ替わると空室リスクや募集コストも発生します。利回りだけでなく、こうした運用の手間も含めて買い手に説明できるかが差になります。
エージェントとしては、この流れをどう活かせばいいですか?
まず、貸主には「定期借家ならコスト上昇に家賃を合わせやすい」という提案ができます。物価高で収益を守りたいオーナーには響く武器になります。
借主には、契約形態の違いと再契約の実態を分かりやすく伝え、不安を取り除く役割が重要です。定期借家の仕組みを正確に説明し、貸主・借主双方に納得感のある条件を組み立てられるエージェントこそ、この市場で選ばれる存在になります。
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