管理費3万円が中古を選別--マンションは「持てる物件」が勝つ時代へ
この記事の要約
マンション価格は高騰が続いてきましたが、住宅ローン金利の上昇で家計の購買力は限界に近づいています。ただし全面的な値下がりは起きにくく、新築は建築費・人件費・エネルギー価格の高騰が価格の下値を支えるため「高止まり」が続く見通しです。デベロッパーは値下げより、面積縮小・郊外化・戸数絞りで1戸あたり価格を調整すると見られます。 一方、中古市場では東京23区の高額物件に調整の兆しが出始め、「全面安」ではなく「二極化」が進みます。カギは管理費・修繕積立金という保有コストです。首都圏新築の管理費+修繕積立金は月約3.2万円、築15年では約3.5万円に膨らむ例もあり、管理組合の財務状態が第5の価格形成要因になりつつあります。 今後は「いくらで買えるか」ではなく「持ち続けるのにいくらかかるか」で資産価値が選別される時代です。物件価格・金利・維持費の三重苦の中、生涯住居費の視点が不可欠になります。
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金利も上がって、みんな買えなくなってきてるんですよね?それなのにマンション価格は下がらないって、ちょっと不思議です。普通は買い手が減れば値下げするものじゃないんですか?
結論から言うと、新築は「下げたくても下げにくい」んです。理由は作るためのコストそのものが高騰しているから。
土地代だけでなく、鉄やセメント、設備、人件費、さらに電気やガス代まで全部上がっています。つまり原価が高いので、売れないからといって簡単には値下げできないんですね。
でも記事では、首都圏の新築坪単価が502万円から481万円に4%下がったとありました。これはもう値下がりが始まったってことじゃないんですか?
それが早合点しやすいポイントです。あの数字は「平均」なので、どんな物件がその時期に売り出されたかで大きく動きます。
郊外の物件が多ければ平均は下がるし、都心の高額物件が多ければ上がる。だから4%下落=相場下落、とは言い切れないんです。むしろデベロッパーは、面積を小さくしたり郊外に供給を移したりして、1戸あたりの価格を手の届く範囲に収める作戦を取ります。
なるほど。じゃあ中古はどうなんですか?新築が高いなら、中古に流れる人が増えて中古も高くなりそうですが。
半分当たりで半分外れ、という感じです。確かに「新築は無理でも中古なら」という需要は残るので、全面暴落はしにくい。
ただし東京23区の高額中古は3カ月連続で下がっていて、買い手が価格についてこられなくなり始めています。つまり中古は全体で一括りにできず、「選ばれる物件」と「売れ残る物件」に分かれていく、二極化が本線です。
その二極化を分けるのが「管理費」って記事にありましたけど、正直、管理費ってそんなに価格に影響するものなんですか?
これが今回いちばん大事な話です。管理費と修繕積立金は毎月ずっと払い続けるので、積み重なると物件価格の一部みたいになるんです。
例えば同じ5000万円の2戸で、月の維持費が2.5万円と4.5万円だと差は月2万円。20年で480万円の差です。これはもう「実質的な物件価格の差」ですよね。
じゃあ管理費が安い物件を選べばお得ってことですか?それなら話はシンプルですけど。
ここが落とし穴で、安ければいいとは限らないんです。修繕積立金を安く据え置いてきた物件は、お金が貯まっていない可能性が高い。
大規模修繕のときに「お金が足りません」となれば、積立金の大幅増額か、一時金で数十万〜数百万円を請求される。つまり安さは「問題の先送り」かもしれない。だから管理組合がちゃんとお金を貯めているか、長期修繕計画が現実的かを見る必要があります。
なるほど…。でもお客さんに「この物件は積立金が足りません」ってどうやって見抜けばいいんでしょう?
実務では「重要事項調査報告書」で、修繕積立金の残高や滞納状況、長期修繕計画の有無が確認できます。ここを読み解けるかがプロの差です。
残高が十分で、値上げを小刻みに実施してきた管理組合は健全。逆に積立金が低いまま、機械式駐車場や古いエレベーターなど高額設備を抱える物件は要注意です。将来の負担をお客さんに具体的な金額で示せると、信頼が一気に上がります。
最後に、エージェントとしてこの話をどう武器にすればいいですか?
これからは「買値」だけでなく「生涯住居費」で提案できる人が勝ちます。物件価格・金利・維持費の3つを足した総支払額で比較すれば、買値5500万円より6000万円のほうが20年で得、という逆転も説明できる。
ライバルが「駅近・築浅・広さ」だけで語っている間に、あなたは管理組合の財務という第5の軸を加えて、お客さんに『持ち続けられるマンション』を提示する。この一歩が、信頼される担当者と単なる物件紹介者を分ける決定的な差別化になります。
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