都心マンション1.8億円で足踏み、投資需要の陰りが示す転換点
東京都心の中古マンション価格、1.8億円で高騰一服 投資需要に陰り - 日本経済新聞(6月23日, 日本経済新聞)
この記事の要約
東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の中古マンション価格高騰に、ブレーキがかかってきました。東京カンテイの調査によると、平均希望売り出し価格はここ半年ほど70平方メートルあたり1億8000万円台で足踏みしています。 注目すべきは、売り出し物件の2戸に1戸が値下げを経験している点です。これまで相場を押し上げてきた投資目的の需要が鈍っているとの見方が広がっています。 売り急ぎではないものの、強気の価格設定が通りにくくなっている兆候です。今後の相場の方向感を見極めるうえで、重要な転換点となりそうです。
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1.8億円で『高騰一服』って言われても、そもそも1.8億円ってめちゃくちゃ高いですよね。これって安くなったってことなんですか?
いい着眼点です。結論から言うと、安くなったのではなく『これ以上は上がりにくくなった』という状態です。
ここ数年、都心マンションは上がり続けてきました。その勢いが止まって、横ばいになったのが今回のポイントです。価格そのものは依然として非常に高い水準のままなんですよ。
なるほど。でも記事に『2戸に1戸が値下げを経験』とありました。これってけっこう多いですよね?
はい、半分の物件が当初の希望価格から下げているのは、市場が変わってきたサインです。売り手が強気で高い値段をつけても、買い手がついてこない。だから値下げするわけです。
つまり『売り出し価格』と『実際に売れる価格』のギャップが広がっている。希望価格だけ見ると高く見えますが、現場では値引き交渉が当たり前になりつつあります。
相場をけん引してきた『投資需要』が鈍っているとも書いてありました。投資需要って、誰が買っていたんですか?
主に、値上がり益を狙う投資家や、海外マネー、富裕層です。自分で住むためではなく、買って数年で売り抜けたり、貸して家賃を得たりする目的の人たちですね。
彼らは『これからも値上がりする』と思うから買います。逆に『もう天井かもしれない』と感じると、一気に手を引く。今その心理が働き始めているということです。
投資家が引くと、なぜ相場全体が止まるんですか?普通に住みたい人は買い続けるのでは?
ここが大事なところです。都心の高額物件は、実需(=自分で住みたい人)だけでは支えきれない価格まで上がっていました。投資マネーが上乗せして相場を押し上げていたんです。
だから投資家が抜けると、買い手の層が薄くなる。実需の人にとって1.8億円は手が届きにくいので、需要の天井が見えてくるわけです。
関連記事を見ると、港区で5000万円下げとか、短期転売が千代田区に集中とか書いてありました。これも関係あるんですか?
大いに関係します。短期転売、つまり買ってすぐ売る動きが特定エリアに集中していたのは、投資マネーがそこに流れ込んでいた証拠です。
そういうエリアほど、投資家が引いたときの反動も大きい。港区で大きな値下げが出るのは、過熱していた分の調整が始まったと読めます。
エージェントとしては、このニュースをどう受け止めればいいんでしょう?
まず売主には『強気の価格設定が通りにくい局面』だと正直に伝えることです。高すぎる値付けで売れ残ると、結局あとから大きく下げる羽目になります。
買主に対しては、逆にチャンスの面もあります。値下げ物件が増えている今は、交渉の余地が広がっている。市場の空気を数字で説明できると信頼されます。
賃貸の現場にも影響はありますか?売買の話に聞こえますが。
影響します。投資目的で買った物件は、最終的に賃貸に出されることが多いからです。投資需要が鈍ると、新たな賃貸供給の勢いも変わってきます。
また『今は買い時か、しばらく借りておくか』と迷う層も増えます。賃貸エージェントにとっては、こうした層を取り込む好機にもなるんです。
最後に、これからどう見ていけばいいですか?このまま下がるんでしょうか。
まだ下落と決めつけるのは早いです。価格は下がったのではなく『止まった』段階。今後の金利や海外マネーの動き次第で、横ばいが続くか反落するかが決まります。
エージェントの差別化は、この『足踏み』の意味を顧客に正しく翻訳できるかどうかです。『高いままだが勢いは止まった、だから今は焦らず交渉する局面』と一歩踏み込んで語れる人が、これからの不安定な市場で選ばれる担当者になります。
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