銀座は年10%上昇なのに丸の内は1.3%…2026年公示地価が示す二極化
「どこを買っても上がる」は終了か…2026年公示地価が示す「超一等地」と「取り残されるエリア」の残酷な二極化 - Yahoo!ニュース(7月6日, Yahoo!ニュース)
この記事の要約
2026年の公示地価は、全国的に地価が上がる流れを保ちつつも、「どこを買っても上がる」時代の終わりを告げました。実態は「超一等地の高止まり」「インバウンドや開発の特需エリアの急騰」「取り残される地方・郊外」という強烈な二極化・三極化です。 全国トップは東京都中央区の銀座4-5-6で、1平米6,710万円ながら前年比10%超の上昇を維持。銀座ブランドはインフレに強い「究極の安全資産」として買われています。一方、同じ都心でも丸の内は高額ながら上昇率1.3%にとどまり、リテール・インバウンド需要の有無が明暗を分けています。 インフレが定着するなか、現金で資産を持ち続けるリスクと、エリア選定を誤るリスクの両方が浮き彫りになりました。
専門家がニュースをわかりやすく解説!
地価が全国的に上がっているのに、なぜ「どこを買っても上がる時代は終わった」と言えるんですか?上がっているなら安心じゃないんですか。
結論から言うと、平均は上がっていても中身がバラバラだからです。全体の数字は上向きでも、一部の超一等地が爆発的に上がって平均を押し上げているだけで、地方や郊外は横ばいや下落のところも多いんです。
つまり「上昇トレンド」という言葉に安心して郊外の土地を買うと、実際は資産が増えないどころか目減りする可能性がある。平均の裏側を見ないと危ないということです。
銀座は1平米6,710万円ってすごい金額ですよね。そんなに高いのに、さらに10%も上がるって不思議です。誰が買っているんですか。
買っているのは国内外の機関投資家(=大きなお金を運用するプロの組織)や超富裕層です。彼らは値上がり益より「確実に資産を守れるか」を重視しています。
銀座のような超一等地は、テナントに強気の家賃を要求しても入居者が絶えません。物価が上がっても家賃に転嫁しやすい。だからインフレに一番強い「究極の安全資産」として、多少高くても買われ続けるんです。
家賃に転嫁しやすいって、具体的にどういうことですか。ふつうの物件とどう違うんでしょう。
簡単に言うと、値上げしても客が逃げない立地かどうかです。銀座の一等地は世界中のブランドが「どうしても出店したい」と競い合うので、家賃を上げても次の借り手がすぐ現れます。
一方、郊外のオフィスや店舗は「家賃が上がるなら別の場所でいい」と借り手が離れやすい。同じインフレでも、家賃に価格転嫁できる物件だけが実質的に値上がりし、できない物件は取り残されるわけです。
同じ都心なのに、銀座は10%で丸の内は1.3%というのも意外でした。丸の内も超一等地ですよね?
おっしゃる通り丸の内も一等地です。ただ、丸の内はオフィス街としての安定感が強みで、爆発的に伸びる要素が少ないんです。上昇率が低いのは弱いのではなく「すでに安定してしまっている」ためです。
対して銀座はオフィスに加えて、店舗需要とインバウンド(=訪日客)の消費が上乗せされます。この観光・買い物の爆発力が、同じ都心でも上昇率の差を生んでいます。安定型か、爆発型か、という色分けですね。
でも私たちが扱うのは銀座みたいな超一等地じゃなくて、もっと普通のエリアです。この二極化の話は実務にどう関係してくるんですか。
むしろ現場のエリアこそ影響が大きいです。二極化とは、担当するエリアが「特需で伸びる側」なのか「取り残される側」なのかを見極める必要が出てきたということです。
たとえば再開発の予定、新駅、インバウンドが集まる観光資源があるかどうか。こうした需要を生む材料の有無で、同じ市内でも数年後の資産価値がはっきり分かれます。オーナーに提案する際も、この視点が説得力を持ちます。
賃貸の現場でも、この地価の話って使えるんでしょうか。地価は売買の話という気がしていました。
大いに使えます。地価が上がるエリアは、いずれ家賃相場も上がる先行指標だからです。地価上昇が続く場所は、オーナーに「今後の家賃改定や再投資の余地がある」と根拠を持って話せます。
逆に取り残されるエリアでは、家賃を上げにくい前提で入居付けや管理提案を組む必要がある。地価データを、賃貸のリーシング(=入居者募集)戦略の物差しとして使うと、提案の精度が上がります。
インフレで現金を持つのが危ない、という話もありました。これはお客さんにどう伝えればいいですか。
ポイントは「持たないリスク」と「間違えるリスク」の両方を正直に伝えることです。物価が上がると現金の価値は目減りするので、資産を動かさないこと自体がリスクになります。
ただし焦って場所を誤ると、値下がりする土地を抱える致命傷になりかねません。だから「不動産なら何でも安心」ではなく「需要が続くエリアを選ぶ前提で」と条件付きで伝える。この誠実さが信頼につながります。
最後に、私たちエージェントがこの二極化の知識を、どう強みに変えればいいでしょうか。
差別化の鍵は「エリアを選別できる目」を持ち、それを数字で語れることです。多くの担当者は『地価は全体的に上昇中です』としか言えません。そこであなたが『同じ都心でも銀座は10%、丸の内は1.3%。需要の中身が上昇率を分けます』と説明できれば、一気に専門家として信頼されます。
そのうえで、担当エリアに再開発・新駅・観光需要という上昇材料があるかを具体的に示し、賃料改定や入居戦略まで落とし込む。『上がる・下がる』の二択ではなく『なぜここは伸びるのか』を語れる人が、これからのオーナーに選ばれるエージェントになります。
10分でわかる
不動産ニュース解説とは?
不動産に関するニュースを、不動産エージェント向けに実務にも活かせるよう、わかりやすく対話形式で解説するコンテンツです。