東京23区・大阪で築41年超に関心集中、なぜ「築古しか買えない」のか
マンション「買えるのは築古だけ」 東阪とも41年以上物件に関心集中 - 日本経済新聞(9月9日, 日本経済新聞)
この記事の要約
東京23区や大阪市の都心部で、築41年以上の中古マンションに購入希望者の関心が集まっています。民間調査では、問い合わせのあった物件のうち築41年超の割合が東京23区で5割弱、大阪市でも4割弱に達しました。 背景には、都心の住宅価格の高騰があります。新築は東京23区で平均1億円超、中古も上昇が続き、平均年収の家計が「無理なく買える価格帯」は築古物件にしか残っていない状況です。 一方で、築古は改修費もかさみます。修繕費まで含めて住宅ローンを組むと、借入額が物件価値を上回る『オーバーローン』のリスクが広がる点にも注意が必要です。
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「買えるのは築古だけ」って、なんだか寂しい見出しですね。そもそも、なんで新築じゃなくて築41年以上の古い物件にみんな集まっているんですか?
理由はシンプルで、価格です。都心の新築は東京23区で平均1億円を超え、中古も値上がりが止まりません。
平均的な年収の人が『無理なく返せる』価格帯を探すと、都心では築40年超の物件くらいしか残っていない、という現実があるんです。つまり好きで選んでいるというより、消去法で築古に行き着いている面が大きいですね。
築41年って、かなり古いですよね。1981年より前だと耐震も心配になりそうですが、その辺は買う人は気にしないんでしょうか?
まさに重要な論点です。1981年6月に建築基準法の耐震基準が変わり、それ以前の『旧耐震』建物は地震への強さが劣る可能性があります。
築41年以上というと、この旧耐震とギリギリ重なる年代が含まれます。ただ、耐震補強済みの物件もあるので、一律に危険とは言えません。エージェントとしては、新耐震か旧耐震かをまず確認する習慣が大切です。
記事に出てくる『オーバーローン』という言葉が気になりました。これは何が危ないんですか?
オーバーローンとは、借金の残りが物件の売れる値段を上回っている状態です。たとえば3000万円借りたのに、その物件が2500万円でしか売れないと、売っても500万円の借金が残ります。
築古は購入後に給排水管の交換や内装工事など改修費がかかりがちで、その分までローンに乗せると借入額が膨らみます。物件の価値は年々下がりやすいので、差が開きやすいんです。
なるほど。でも古くても立地がよければ資産価値は保てるイメージもあります。実際どうなんでしょう?
立地は確かに大きな武器です。駅近や再開発エリアなら、築古でも底堅い需要があります。
記事にもある『ビンテージマンション』のように、築50年でも順番待ちが出る物件も存在します。ただしそれは唯一無二の立地や意匠を持つ例外で、すべての築古が値下がりしないわけではない点は正直に伝えるべきです。
買う側からすると、築古を選ぶときに一番チェックすべきポイントはどこになりますか?
まず『修繕積立金』の残高と計画です。マンションは将来の大規模修繕にお金を積み立てていますが、これが不足していると後で一時金を求められます。
次に管理状態です。古くても管理が行き届いた建物は長持ちします。逆に積立不足で管理が甘い物件は、安く見えても後から出費がかさむ『割高な買い物』になりかねません。
賃貸の担当者にとっては、この『築古人気』はどう関係してくるんでしょう?
大いに関係します。買うのが難しい価格帯の人が増えれば、賃貸にとどまる層が厚くなります。都心の賃貸需要は今後も底堅いと見てよいでしょう。
また、築古を買った所有者が賃貸に回すケースも増えます。改修済みか、修繕計画が健全かを見極める目は、賃貸管理の現場でもそのまま活きる知識です。
最後に、こういう知識を持っていると、私たちエージェントはどんな場面で役に立てますか?
ここが差別化のポイントです。多くの担当者は価格と広さしか語れませんが、『新耐震か旧耐震か』『修繕積立金は足りているか』『オーバーローンにならない資金計画か』まで踏み込めると、お客様の信頼は一段深まります。
特に築古が主戦場になる都心では、目先の安さの裏にあるリスクとチャンスを両面で示せる担当者が選ばれます。数字の暗記ではなく、お客様の10年後の家計まで見据えた助言ができる人が、これからの都心マーケットで生き残るエージェントです。
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