東京23区中古マンション「調整期入り」、販売長期化の『危ない駅』データをどう読むか
東京23区中古マンション市場「値下げしないと売れない物件」が続出か タワマンを移り住む“空中族”に大きな影響も 販売が長期化する「危ない駅」データの読み方(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース(10月1日, Yahoo!ニュース)
この記事の要約
不動産ジャーナリストの榊淳司氏は、東京23区の中古マンション市場がすでに調整期に入り、値下がりが始まったと分析しています。SUUMOなどに載る価格は売り主の希望価格にすぎず、相場より高い「チャレンジ価格」で出す人も多いため、サイト上の価格だけでは市場の実態は見えにくいと指摘します。 価格上昇が続いた頃はチャレンジ価格でも買い手がついたものの、今は通じず、物件の流通が重くなり販売期間が長期化しています。マネーポストWEBは「販売日数」に着目し、前年比で販売期間が延びた割合を「悪化率」として首都圏の『危ない駅ランキング』を作成しました。 販売が長期化する物件は値引きを迫られ、「値下げしないと売れない物件」になりがちです。とくにタワマンを住み替え続ける“空中族”など、売却前提で動く層への影響が大きいと見られています。
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記事では「調整期に入った」とありますが、SUUMOを見ても価格が下がっている感じはしません。どういうことなんでしょうか?
結論から言うと、サイトに載っているのは「売りたい値段」であって「売れた値段」ではないからです。SUUMOなどの掲載価格は、売り主が希望する価格、いわば言い値です。
中には相場よりかなり高い『チャレンジ価格』で出す人もいます。だから掲載価格だけ見ていても、実際にいくらで取引されているかは分からないんです。
なるほど。では本当の市場の動きはどこを見れば分かるんですか?
二つあります。一つは成約価格、つまり実際に売買が成立した金額です。もう一つが今回の記事の肝である『販売日数』、売り出してから売れるまでにかかった期間です。
価格はすぐには下げにくいので、まず「売れにくさ」として販売日数が延びる形で表れます。つまり販売長期化は値下がりの先行シグナルなんですね。
売れるまでの期間が延びると、どうして値下げにつながるんですか?
売り主は、住み替えやローンの都合で「いつまでに売りたい」という事情を抱えていることが多いからです。買い手がつかない期間が長引くほど、焦って価格を下げざるを得なくなります。
記事の言う『値下げしないと売れない物件』は、まさにこの状態です。市場全体で流通が重くなり、強気の価格では買い手がつかなくなっているわけです。
記事に出てくる“空中族”というのは、どういう人たちで、なぜ影響が大きいんですか?
空中族とは、タワーマンション(=高層マンション)を次々に買い替えて渡り歩く人たちを指す言葉です。値上がり局面では、買った物件が上がったところで売って、差益で次へ移るという動きができました。
ところが調整期に入ると、この前提が崩れます。売ろうとしても買い手がつかず、売れても想定より安い。住み替えの連鎖が止まり、含み益どころか損失が出るリスクも出てくるんです。
買って住むだけの人にとっては、値下がりは安く買えて良いことなのでは?
一面ではその通りで、実需、つまり自分で住む人にとって価格下落は入り口のハードルが下がるメリットです。ただし、買った後も価格が下がり続けると心穏やかではいられません。
将来売るときやローンの借り換え時に、残債より価値が低くなる可能性もあります。だから「安く買える」と「資産価値が下がる」は表裏一体だと理解しておく必要があります。
この『危ない駅ランキング』は、悪化率という割合で見るんですよね。数字の読み方で注意することはありますか?
はい、悪化率は「前年と比べてどれだけ販売期間が延びたか」の変化率です。ここで注意したいのは、悪化率が高い=ダメな駅、と単純に決めつけないことです。
もともと取引件数が少ない駅は、数件の動きで数字が大きくブレます。ですから件数の母数や、元々の販売日数の水準もあわせて見ることが大事です。変化率だけでなく絶対値とセットで読む、これが基本です。
こうしたデータを、私たちエージェントは現場でどう活かせばいいでしょうか?
まず売却の相談では、掲載価格の相場ではなく『成約価格』と『販売日数』を根拠に説得できます。「この駅は販売期間が延びているので、強気の価格だと長期化し、結局値下げになります」と数字で示せれば、適正価格での売り出しに納得してもらいやすい。
購入側には、販売長期化の駅は「交渉の余地が大きいエリア」として提示できます。つまり同じデータを、売り主には価格設定の、買い主には指値交渉の武器に変えられるわけです。
多くの業者が掲載価格だけを語る中で、販売日数という「売れにくさ」の軸で市場を語れることが、あなたの差別化になります。データを根拠に『今この駅で何が起きているか』を言語化できるエージェントこそ、調整期に選ばれる存在です。
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