管理会社が小規模マンションを契約更新拒否、なぜ今「管理難民」が急増?
管理会社が小規模マンション切り捨て、管理組合の危機 動画で解説 - 日本経済新聞(8月9日, 日本経済新聞)
この記事の要約
人件費や資材費の高騰でマンション管理費の値上げが相次ぐ中、管理会社が採算の合わない小規模マンションとの契約更新を断る「管理会社からの契約切り」が増えています。 背景にあるのは管理業界の人手不足とコスト増です。戸数の少ない物件は1戸あたりの管理コストが割高になりやすく、会社側は収益性の高い大規模物件へ資源を集中させています。 この結果、管理会社が見つからない「管理難民」となる小規模マンションが出始めており、管理組合の運営や資産価値、さらには賃貸・売買の現場にも影響が及び始めています。
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「管理会社が契約更新を断る」ってニュースを見て驚きました。ふつうは管理会社のほうが仕事を取りたいものだと思っていたので、逆に断られるってどういうことなんでしょうか?
結論から言うと、管理会社にとって「割に合わない物件」が増えているからです。管理会社はマンションから毎月の管理委託費をもらって、清掃や設備点検、会計事務などを代行しています。
ところが最近は人件費も資材費も上がっていて、同じ委託費では利益が出にくくなりました。特に戸数の少ない小規模マンションは、1戸あたりで割ると手間の割に収入が少ないため、真っ先に契約を見直す対象になっています。
なるほど。でも、大きいマンションも小さいマンションも、やる作業はそんなに変わらない気もします。なぜ小規模だけ特に厳しくなるんですか?
いいところに気づきましたね。管理業務には「戸数が増えても大きく変わらない固定的な手間」が多いんです。会計処理や理事会のサポート、点検の立ち会いなどは、20戸でも100戸でも作業量に大きな差はありません。
つまり100戸なら100人で費用を分担できますが、20戸だと同じ手間を20人で負担することになります。だから小規模ほど1戸あたりの管理費が高くなりやすく、会社から見ても利益が薄いんです。
それで管理会社が「もっと効率のいい大規模物件に集中したい」と考えるわけですね。でも、断られたマンションはその後どうなるんでしょう?
いわゆる「管理難民」になるリスクがあります。次の管理会社を探しても、条件が悪ければどこも引き受けてくれず、管理費を大幅に上げないと契約できないケースが出てきます。
最悪の場合、管理組合が自分たちで清掃業者や点検業者を個別に手配する「自主管理」に切り替えることになります。手間もかかり、専門知識も必要なので、住民の負担は一気に重くなります。
それは大変そうですね。管理がうまくいかないと、建物そのものにも影響が出るんですか?
はい、じわじわ効いてきます。点検や修繕が滞ると、共用部分の劣化が早まり、いざ大規模修繕をするときの費用がふくらみます。
さらに管理状態が悪いマンションは、買い手も借り手も敬遠します。結果として資産価値が下がり、空室が増えるという悪循環に陥りやすいんです。
売買や賃貸の現場にとっては、けっこう重い話ですね。物件を見るとき、どこをチェックすればいいんでしょう?
まず「管理委託契約の状況」と「修繕積立金の残高・値上げ計画」を必ず確認してください。管理会社が撤退リスクを抱えていないか、積立金がインフレに耐えられる水準かが要注意ポイントです。
特に総戸数が少ない物件は、将来の管理費・積立金の値上げ余地を見込んでおく必要があります。今は安くても、数年後に大幅アップとなれば、購入者や入居者の負担計算が狂ってしまいます。
管理会社が変わったり撤退したりする兆候って、事前に見抜けるものなんですか?
ある程度は見抜けます。管理組合の総会議事録を見ると、管理会社との契約条件の見直しや、委託費値上げの議論が出ているかどうかがわかります。
また、管理会社が大手か中小か、直近で管理費が据え置かれ続けていないかも手がかりです。長年値上げしていない物件ほど、ある日突然「撤退」か「大幅値上げ」を迫られるリスクが高いと考えてください。
最後に、私たちエージェントはこの知識をどう活かせばいいでしょうか?
この問題を理解していると、価格や立地だけでなく「管理の持続性」という切り口でお客様に助言でき、他社と差別化できます。小規模物件を扱うときは、管理委託契約と積立金計画を先回りで調べ、将来の値上げリスクまで説明できるエージェントは信頼されます。
売主・貸主側には「管理体制の健全さが資産価値を守る」と伝え、必要なら管理会社の見直しや積立金計画の整備を促す。買主・借主側にはリスクを正直に開示したうえで対策を示す。こうした管理リテラシーの高さこそ、これからの時代に選ばれるエージェントの武器になります。
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