管理会社が組合代表を兼ねる「第三者管理」急増、国が注意喚起する理由
(ニュース特集)マンションの管理会社が組合代表、注意点は - 朝日新聞(9月19日, 朝日新聞)
この記事の要約
分譲マンションで、管理会社が管理組合の代表(理事長など)も兼ねる「第三者管理方式」が広がっています。これまで区分所有者(=各部屋の所有者)が輪番などで役員を担ってきましたが、なり手不足や高齢化を背景に、その負担を管理会社に委ねる動きが加速しています。 一方で、任せる側と任される側が同じになることで、利益相反やチェック機能の低下、所有者の関心の希薄化といった副作用が懸念されています。従来は投資用物件が中心でしたが、最近は一般の居住用マンションにも拡大。国は導入時の注意点を呼びかけています。 賃貸・売買の現場でも、管理体制のあり方は資産価値や住み心地に直結する重要テーマ。エージェントとして制度の仕組みとリスクを理解しておくことが求められます。
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ニュースで「管理会社が管理組合の代表も兼ねる」と聞いたのですが、これって普通のことなんですか?なんだか矛盾している気がします。
いい着眼点です。従来は、住民(区分所有者)が集まって管理組合をつくり、その代表(理事長)を住民から選ぶのが一般的でした。管理会社は、その組合から仕事を「請け負う業者」という立場です。
ところが最近は、その代表役まで管理会社が引き受ける「第三者管理方式」が増えています。つまり、仕事を頼む側と受ける側が同じ会社になる、という構図です。
なぜそんな仕組みが広がっているんですか?住民が自分たちでやればいいのに、と思ってしまいます。
最大の理由は、役員のなり手不足です。理事長や理事は無報酬のボランティアが多く、しかも修繕やお金の管理など責任が重い。高齢化も進み、「もう誰もやりたがらない」というマンションが本当に増えています。
そこで「面倒な運営はプロに丸ごと任せたい」というニーズが生まれ、管理会社が代表役を担う方式が受け皿になっているわけです。
住民の負担が減るなら、いいことばかりに聞こえます。何が問題なんでしょう?
一番の問題は「利益相反」です。たとえば大規模修繕を行うとき、本来は住民側が「この工事は割高では?」とチェックします。でも管理会社が代表を兼ねると、自社やグループ会社に有利な発注をしても、止める人がいなくなる恐れがあります。
わかりやすく言えば、買い物を頼んだ人が、値段のチェックまで同じ人に任せてしまう状態です。適正価格かどうかが見えにくくなります。
なるほど、財布のひもを渡してしまう感じですね。他にもリスクはありますか?
はい、「住民の無関心化」です。全部お任せにすると、住民が自分のマンションの財政や修繕計画に興味を持たなくなります。いざ管理費が値上げされても、実態を誰も把握していない、という事態になりかねません。
さらに、管理会社が経営難や撤退をした場合、運営の中心が一気に空白になるリスクもあります。国が注意を呼びかけているのは、こうした副作用があるからです。
以前は投資用物件が中心だったのに、最近は普通のマンションでも増えているとありました。これは何を意味するんでしょう?
投資用物件は、オーナーが遠方にいたり、そもそも住んでいないので、運営を丸投げするのが自然でした。だから第三者管理と相性が良かったんです。
それが一般の居住用マンションにも広がっているということは、居住者コミュニティの担い手不足が深刻化している証拠です。裏を返せば、管理の質が物件ごとに大きく差がつく時代になった、ということでもあります。
では私たちエージェントは、どこを確認すればいいのでしょうか?
まず「そのマンションが第三者管理方式かどうか」を管理規約や重要事項で確認してください。その上で、監査の仕組みがあるか、工事の発注に第三者チェックが入るか、住民が意見を言える総会が機能しているかを見ます。
チェック機能がしっかりしている物件は、たとえ管理会社が代表でも安心材料になります。逆に「丸投げでノーチェック」なら、将来の管理費高騰や修繕トラブルのリスクとして説明すべきです。
買主さんや借主さんには、どう伝えれば喜ばれますか?
「管理を買う」という視点で語れると強いです。マンションは建物だけでなく、運営体制ごと購入・入居するもの。第三者管理のメリット(手間ゼロ)とデメリット(監視が緩む)を、両面フラットに説明できるエージェントは信頼されます。
多くの担当者が『管理会社がしっかりしてます』で終わる中、あなたが『代表を兼ねているので、こういうチェックが入っているか一緒に確認しましょう』と一歩踏み込めれば、それが明確な差別化になります。制度を正しく理解し、リスクを言語化できることこそ、プロの付加価値です。
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