豊海タワー坪600万円、勝どきの1.5倍…3年半で何が起きた?
爆騰が止まらない新築マンション「値付け」のからくり…進む「立地」と「顧客」の選別とデベロッパーの優勝劣敗 - 東洋経済オンライン(7月20日, 東洋経済オンライン)
この記事の要約
東京・中央区豊海町で今秋竣工する超高層マンション「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」は、平均坪単価600万円台で3LDKの多くが「億ション」となった。同じ三井不動産レジデンシャルが手がけ、駅直結だった「パークタワー勝どき」が2020年に坪400万円前半だったのと比べ、わずか3年半で大幅な値上がりを見せた。 豊海タワーは駅直結ではなく徒歩10分の立地だが、それでも価格が跳ね上がった。背景には建築費や人件費の高騰、そして富裕層に的を絞った「値付け」の戦略転換がある。 記事は、立地・顧客・デベロッパーそれぞれで選別が進み、勝ち組と負け組がはっきり分かれつつある新築マンション市場の構造変化を描く。
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同じ会社が作った近くのマンションなのに、たった3年半で坪単価が400万円から600万円まで上がったって驚きです。しかも豊海タワーは駅直結じゃなくて徒歩10分ですよね。なぜこんなに高くなったんですか?
結論から言うと、コスト上昇と戦略の両方が効いています。まず作るのにかかるお金が大きく増えました。
建築資材の価格や職人さんの人件費が近年ぐっと上がっています。同じような建物でも、数年前より数割高くつくのが今の現実です。デベロッパー(=マンションを開発する会社)はその分を価格に乗せざるを得ません。
でもコストが上がったからといって、買う人がついてこなければ売れませんよね。徒歩10分でも億ションが売れるものなんですか?
そこがポイントで、売り先を絞ったんです。誰にでも売れる値段ではなく、お金に余裕のある層に狙いを定めています。
具体的には、国内外の富裕層や資産として買う投資家です。彼らは駅から数分の差より、眺望やブランド、資産価値の維持を重視します。豊海タワーは東京湾に面した眺望が売りで、まさにこの層に刺さる商品設計になっているわけです。
なるほど。つまり「万人向け」から「富裕層向け」に商品の性格が変わったということですね。これって業界全体の流れなんですか?
はい、まさに市場全体で「選別」が進んでいます。記事のキーワードは立地・顧客・デベロッパーの3つの優勝劣敗です。
立地では、都心の希少なエリアだけが高値でも売れ、郊外や条件の弱い場所は苦戦します。顧客では、価格に耐えられる富裕層だけが買い手として残っていく。この二極化がはっきりしてきているんです。
デベロッパーの優勝劣敗というのは、会社によって明暗が分かれるということですか?
その通りです。良い立地の土地を早くから押さえ、富裕層に売る力のある大手ほど有利になります。
たとえば記事でも触れられている三菱地所レジデンスは、番町や麹町といった希少立地に強く、粗利率(=売上に対する儲けの割合)が37%と高い水準を出しています。土地の仕入れ力とブランド力が、そのまま利益の差につながる時代なんです。
粗利率37%ってかなり高いイメージですが、これは業界では珍しいんですか?
かなり高い部類です。一般的なマンション事業の粗利率は20%前後が目安とされます。
それが37%まで届くのは、希少立地でブランド価格が通用し、値引きせずに売り切れるからです。逆に言えば、そういう立地を持たない会社は同じような利益を出せず、体力差が広がっていきます。
こうした新築の爆騰は、私たちが扱う賃貸や中古の現場にも影響しますか?
大いに影響します。新築が高すぎて手が届かない人が、中古や賃貸に流れてくるからです。
特に都心の駅近中古は、新築の高騰につられて価格も賃料も上がりやすくなります。賃貸でも「新築は買えないから、いい立地の賃貸に住む」という需要が強まる。新築の値付けは、めぐりめぐって賃貸相場を押し上げる起点になるんです。
エージェントとしては、この動きをどう説明すればいいのか難しそうですね。
難しく考えず、「なぜ高いのか」を筋道立てて語れることが武器になります。お客様の多くは値上がりに不安や疑問を持っています。
そこで「コスト上昇」「富裕層向けへの商品転換」「立地による二極化」という3つの背景を整理して伝えられれば、単なる仲介役ではなく相談できる専門家として信頼されます。さらに、新築が届かない層に対して価値の落ちにくい駅近中古や希少立地の賃貸を提案できれば、他社との差別化になります。数字とストーリーをセットで語れるエージェントこそ、選別が進むこの市場で選ばれる存在になれるのです。
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